50代くらいのご夫婦で営業されていて、よく顔を出す僕は、
すっかり覚えられていたようで、「いつものちょうだい」と言えば、
お決まりの「ハヤシライス」を出してくれるといった格好だ。
フロアがおばちゃん、キッチンがおじちゃんっていう体制なんだけど、
先週ランチを食べに行ったら、おばちゃんの顔が見えない。
おまけに、おじちゃんはイライラしながら落胆した面持ち。
「何かあったの?」と問いかけると、
「さっきの客、長時間居座りながら、注文しなかった」とのこと。
さらに、「妻が病気で入院していて、落ち込んでる」そう。
「そんなときに、あんたら馴染みの客が来てくれてホッとした」と。
僕は商店街の生まれだから、地域の個人商店の苦悩はよくわかる。
従業員が何人もいるわけじゃないし、多くの場合は、夫婦や家族。
そうすると、店主夫婦や家族に何かあると、お店の営業もままならない。
でも、営業しないと稼ぎがない。
おじちゃんも、本当はお店を休んで見舞いに行きたいはずだけど、
食事を楽しみにしてくれるお客さんのためにも、頑張っている。
唯一と言っていいくらいの新宿御苑前での顔馴染みのお店。
僕は、おばちゃんが戻ってくる日を楽しみに、
今まで以上にお店に通い続けよう。
また、あの独特の「いらっしゃいませぇ」が聞けますように。
カフェテラスDOM(ドム(